地図を逆さまにして中国大陸から見た邪魔なもの

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公開:2018年9月10日  修正:2018年12月24日

1 はじめに

 下図は、我々が見慣れている極東の地図である。

 日本と東シナ海を挟んで中国大陸があり、日本海を挟んでロシアの沿海州と朝鮮半島がある。そして太平洋を挟んでアメリカ大陸がある。

 日本から極東地域を見ると何処にでも行ける便利な場所だ。しかしながら、違う視点で極東地域を見ると見た目が大きく変わるというところを見ていきたい。

2 中国大陸から見た日本

 地図を逆さまにして中国大陸から見てみるとどのように見えるだろうか?

 中国大陸から太平洋へ進出しようとすると、東シナ海と南シナ海を挟んで日本、台湾、フィリピンが手をつないで通せんぼをしているようにも見える。太平洋に出るには島々の間を縫って行かざるを得ない。そして出ようとすると、それぞれの領土・領海から監視されることになる。

 太平洋に進出したい中国にとって、日本やフィリピンは実に邪魔な存在と感ずるに違いない。

2 中国の「第1列島線」と「第2列島線」

 中国は、1980年代ごろから開放経済政策によって経済力をつけてくると、海洋進出を試みるようになる。

 この頃、中国人民解放軍は、日本列島から台湾、フィリピン、南シナ海に至る線を「第1列島線」、日本から小笠原諸島、北マリアナ諸島、グアムを結んだ線を「第2列島線」と勝手に決めた。

 中国人民解放軍は、この2つの線の内側を自軍の勢力圏内とし太平洋から外国勢力を侵入させないようにする戦略をとると決めたのである。

 これに対しては防衛省としては白書によると、空自は西南航空方面隊を新編し、海自は哨戒機(主に潜水艦を発見し攻撃するための航空機)を取得し、陸自は与那国沿岸監視隊や水陸両用機能を備えた水陸機動団を新編するとともに今後、奄美大島、宮古島、石垣島に初動を担任する警備部隊を配置して西南地域の防衛体制強化を図ろうとしている。

3 中国の野望

 中国にとって日本やフィリピンは巨大なロープのような邪魔な存在に見えるが、見方によってはそれは小さな島々の連なりにすぎない。南シナ海のように次々と島を占領して自国領とすれば問題は一気に解決する。

 中国は尖閣でも「核心的利益」を主張したり、東シナ海ガス田問題などに絡み、東シナ海の沿岸から沖縄トラフまでを自国の大陸棚であると主張しているが、全体として東シナ海をどうしたいのかは南シナ海を見れば答えは明白である。今後とも、これらのことを踏まえながら注視していきたい。

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