仕事をする上で常に考えておく4つの原則

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公開:2018年8月29日  修正:2018年11月18日

目次

1 はじめに

 東日本大震災のような大災害が発生すると普通の業務のやり方や考え方でいると到底追いつかない。

 陸上自衛隊東北補給処が目の前の状況に如何に対応させたかということを例として、仕事をする上で常に考えておきたい幕僚(スタッフ)活動の4原則について説明する。

2 東日本大震災は陸上自衛隊の補給のやり方を変えた

 陸上自衛隊の補給は、部隊が不足しているものがあればその部隊が請求して、補給処が査定してから補給するという請求補給の形を取っている。請求補給というのは時間はかかるがムダのない補給方式である。

 東日本大震災が発生したとき、災害派遣初期の時間と効率が優先される段階において、普段の業務のままの請求補給の形を取っていると、各部隊から五月雨式に同様の物が請求され業務が極めて煩雑になることが予想された。

(陸上自衛隊HPより引用)

 そこで、東北補給処においては、被災地で活動する自衛隊に対して、現場が望む物を要求されるまでも無く満たすことが最優先と判断し、推進補給を決断した。推進補給は請求補給の逆でムダの多い補給方式であるが、それを恐れず早く届ける方を選んだということである。

3 幕僚活動の4原則について

 陸上自衛隊は、幕僚(スタッフ)として業務をする上で、適時性、完全性、先行性、並行性という4つの原則が必要であると指導する。

 「適時性」と「完全性」については、如何に優れた仕事をしようとも完全性を追求するあまり必要な時に間に合わないものは使い物にならない。また、如何に素早く仕事をしようとも時間を追求するあまり雑な仕事も意味がない。相互のバランスが大事ということだ。

 また、準備が必要なものであれば「先行性」が求められ、限られた時間で効率よく相手と仕事を進める必要があるならば「並行性」が求められる。

 このとき重要なことは、組織の目的に基づき、それぞれの状況において「適時性」、「完全性」、「先行性」そして「並行性」の4つの軸を考慮しつつ適切な判断を下すということである。

4 おわりに

 東日本大震災の例で、状況の特質を捉えず請求補給に固守していたら、「完全性」を追求するあまり「適時性」に問題がある行為であった。そして必要な物資の到着が遅れ被災地での作業の効率性が悪くなることを考えると「先行性」・「並行性」上も問題があった。

 そのことをいち早く察知し、普段の業務手順を変えてまで緊急事態に対応した東北補給処の判断力と携わった隊員の皆様の並々ならぬ努力に拍手を送りたい。 

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