陸上自衛隊の補給処という縁の下の力持ち

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公開:2018年8月31日  修正:2018年11月18日

1 はじめに

 陸上自衛隊は基本的に何処に行って何をするにも独立的に行動する組織である。しかし、そんな部隊でも後方関係、つまり食事、宿泊、燃料などは行動する地域の近隣の部隊に支援を要請する。

 その後方関係の話となるとどこかで必ず関わっている補給処という組織がある。普段は目立たないところであるので、その補給処について記す。

2 独立的に行動する組織とは

 陸上自衛隊の任務には、我が国に対する外国の侵略を未然に防止することや大規模災害など各種事態の対応やら国連平和維持活動やらいろいろある。

 ここで、例えば大規模災害が発生し、10万人の自衛官が来て人命救助や瓦礫の除去をやるので、ホテルと食事は県でなんとかしてくれ。

(陸上自衛隊HPより引用)

と言ってしまったら災害派遣を要請した県側は何て言うだろう。

 「被災者が増えるだけなので1万人までにして下さい。」とか「やることやったら、とっとと帰って下さい。」とか注文を付けられるのだろうか。しかしご安心下あれ、陸上自衛隊は独立的に行動できる組織である。

 陸上自衛隊はホテルに泊まらなくても場所さえ借りることができれば、そこで天幕を張り長机を持ち込んで本部を作り、別の天幕では寝具を持ち込み仮眠所を作り、また、炊事道具を運んで食堂を作る。

 トイレも携帯トイレを使ったり、山の中なら所有者に断りスコップで一回分の穴掘って・・・。要は自分でなんとかしてしまう。

3 補給処という組織とは

 東日本大震災のように大災害の派遣ともなると、大量に必要になるものがある。消耗品だ。陸上自衛隊は独立的に行動できる部隊だけれども燃料や食事や電池などの消耗品はその都度補給を継続しないと効率的な部隊行動ができない。

 また、普段は訓練で使わないような資器材、例えば人の捜索のための道具とか水に浸かっても作業しやすいような胴長など、行動の内容によってこんなものがすぐ欲しいというニーズが山のように出てくる。

(陸上自衛隊HPより引用)

 そんなニーズを何でも聞いて揃える組織が補給処である。普通は部隊が欲しいものは予算をつけて調達をするが、調達できなければ材料だけ買って全国の補給処で製作してでも揃える。こんな時は行動する第一線部隊がすぐにでも欲しいときなので何日か徹夜をしてでも揃える。まさに縁の下の力持ちである。

4 おわりに

 こうした「後方機関」の奮闘は、災害派遣の光景としてテレビに映ることはほとんど無い上に、陸上自衛隊の中でさえ関係者にしか知られていないようなところであるが、彼らなくして第一線部隊の行動は成り立たない。

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