自衛隊の採用年齢、上限32歳に引上げ
公開:2018年11月6日
1 採用年齢の引き上げ
平成30年10月より自衛隊の採用年齢の引き上げをすることとなり、任用期限付きの自衛官候補生や陸曹としての活躍を期待される一般曹候補生の採用年齢はこれまで18歳から26歳までだったのだが一気に32歳までに引上げられた。
(防衛省HPより引用)
2 引き上げの背景
引き上げの背景としては、少子化などで採用環境そのものが厳しい上にこのところの景気回復で民間企業にどうしても流れて行ってしまうということがあり、採用対象の年齢枠を広げることで何とか数を確保したいという防衛省の苦肉の策がうかがえる。
3 引き上げの影響
自衛隊は階級社会だ。20歳で士長クラスの先輩がいるところに32歳の新隊員が入ってくることになる。もっと言えば班長クラスも20代後半、小隊長クラスも防大や一般大卒であれば20代前半である。32歳といっても新隊員は2士である。特別扱いをすると組織がおかしくなる。
また、心配なのは32歳新隊員の今後である。任用期限付きの自衛官になるだけで職業自衛官になったわけではない。陸曹になるための試験に受からなければ6年後、8年後には自衛隊を退職しなければならない。8年後なら40歳になっている。そのときは家庭ももっているだろう。
防衛省は32歳の新隊員を取ると決めたからには、40歳で家庭があるのに陸曹になれない者に確りとした就職先を探すところまで真剣に考えていかなければならない。
4 もっと根本的な対策を
今回の改正で当面の人数は確保できるだろうが、預かる部隊の方は今までになかったような問題が色々出てくるに違いない。そしてさらに数が確保できなくなった場合はどうするのか?いくら何でもこれ以上採用年齢を引上げることはできないだろう。
やはり、これからはもっと根本的な対策が必要だ。自衛隊が違憲だ何だと言われないよう憲法を整備し、実際に戦闘が生起して相手を殺傷させたときは刑法ではなく軍事司法で賞罰を明らかにしなければならない。そういう中で今まで通りの活躍をすれば、それはやがて国民の尊敬となり無理に採用枠を広げて募集をしなくとも希望者が集まってくると思うのだが。
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