憲法前文の世界観が憲法改正を催促している
公開:2018年9月6日 修正:2018年12月4日
1 はじめに
憲法9条って、そのまま素直に読めば素晴らしい憲法だと思うことがある。ただそれには前提があって、憲法前文の世界観があってこそそう思うのである。
ここでは、憲法前文に何が書かれているのかをかんたんに説明する。
2 憲法前文の構成
構成は、次による。
(1)第一項:国民主権
(2)第二項:平和主義
(3)第三項:国際協調主義
(4)第四項:民主・平和・自由への誓い
3 憲法前文のポイント解説
前文のうち憲法9条に関連しそうなところを下にピックアップした。
(1)第二項
「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、①平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」
下線①の意味:平和を愛する国々の人民を信頼しなければならない。
(2)第三項
「われらは、いづれの国家も、②自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。」
下線②の意味:世界中のどの国も自国のことばかり考えて他国を無視してはならない。
(3)第四項
「③日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う。」
下線③の意味:日本人は平和の実現に向けて努力する。
4 憲法前文が憲法改正を催促している
日本国憲法は、そもそも平和を愛する国々の人民を信頼すること、また世界中のどの国も自国のことばかり考えて他国を無視してはならないといういうことが前提につくられている。
しかしながら、現実問題として尖閣諸島の領有を主張する国、竹島の領有を主張する国、北方4島の領有を主張する国、核ミサイルの開発を進め恫喝する国でひしめき、平和を愛する国々の人民を信頼するというのは何のことやらで、自国のことばかり考えて他国を無視する国で囲まれているのが日本国である。
そんな中で、日本人だけは平和の実現を夢見て70年以上が経過した。そして特に最近は、日本を取り巻く現実と憲法前文の崇高な精神の乖離がだんだん大きくなってきている。私には憲法前文の世界観が憲法改正を催促しているように思えてならない。
5 おわりに
ユートピア的な発想で自衛権を放棄しているかのような憲法と日本を取り巻く諸外国の外交や軍事がミスマッチしているのが問題なら、そのどちらかを替えて整合を取らなければならない。替えるのは努力してなんとかなる方だろう。
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