ライフプランの必要性と具体的な作り方

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公開:2018年7月29日  修正:2018年12月5日

1 はじめに

 あなたは、「お金100万円と、休み1ヶ月をあげるから日本一周してきなさい。」と言われたらどうする?ありがとうございますとばかりに100万円を握りしめて外に飛び出すだろうか。数日で計画の概要を作ってから旅行を開始するだろうか。それともじっくり1週間ぐらいかけて綿密な計画をたててから旅行を開始するだろうか。

 ここでは、ライフプランの必要性とその具体的な作り方について記す。

2 ライフプランの必要性

 ここで、比較のためにAさんとBさんCさんに登場していただく。

行動パターン 旅行を終えて思うこと
Aさん 行き当たりばったりの旅行 初めにお金を使いすぎ後で食べたいものも食べられない。行きたいところへも行けなかった。
Bさん ある程度計画性のある旅行 何カ所かで少し我慢をしたものの見るもの食べるものを満喫した。
Cさん 綿密な計画をした旅行 計画の甲斐あり、いろいろ見るもの食べるものを満喫した。ただ計画に1週間を費やしてしまった割に計画どおり行かなかった。

 何度も機会があればAさんのような行き当たりばったりも気楽で良いかもしれないが、限られた経費と時間の中で旅行するにはBさんやCさんの方が充実した旅行ができるのは当然である。

 また、Cさんのように初めから綿密に計画しても実際にその場所に行くと違うことをしたくなることもあるので、ある程度は自由度のある計画にすべきである。

 これは人生も同じで、そのある程度の計画がライフプランである。

3 どんなことを考えるのか

 先ずは、3大出費と言われる住宅教育それに老後についていつ頃どうしたいのかを考える。

 住宅は賃貸か購入か、戸建てかマンションか

 教育は高校までかそれとも大学までか、私立でもいいのか、下宿させてもいいのか

 老後の必要資金のために何歳ぐらいまで働くか

 等々我が家の方針を仮決めする。

4 3大出費にどれぐらいかかるか

 下図にざっくりではあるが3大出費に係る必要経費を掲載した。

ライフイベント 必要経費
住宅費 建売住宅

 3,337万円

(住宅金融支援機構HP

2016年度集計表より引用)

頭金500万円

諸雑費:物件の1割
利率1%で35年ローンを組む

利子は600万円
教育費 大学まで全部国公立
(自宅通学)
  約800万円
(文部科学省HP「教育費負担」より引用)
大学まで全部私立
(自宅通学)

約2,200万円

(文部科学省HP「教育費負担」より引用)

老後の
生活費
60歳以降夫婦で

7,128~11,340万円

ゆとりある生活に35万円/月
最低限の生活に22万円/月
((公財)生命保険文化センター「平成28年度調査」より引用)*

年金等
(20~60歳まで加入、
平均寿命まで生存)

 6,480万円

(年金約20万円/月とした。)

5 ライフイベントに必要な経費

 下図にライフイベントに必要な経費を掲載した。

ライフイベント 必要経費 資料出典
家族形成期

婚約~新婚旅行

新生活の準備

350~400万

約150万

出産
出産育児一時金
約70万
42万受領

家族成長・成熟期

幼稚園
小学校
中学校
高校
大学
 公立66万 私立161万
182万   881万
138万   384万
118万   276万
263万     527万

(文部科学省HP「教育費負担」より引用)

*合計額

マンション
建売住宅
 4,266万 頭金740万
3,337万 頭金313万
(住宅金融支援機構HPマンション融資利用者の主要指標より引用)
引退期

老後生活費

公的年金

7,128-11,340万

(60歳時)

6,480万

*の27年分

公的年金20万円/月の27年分

6 ライフイベント表を作る

 仮の我が家の方針に基づき各ライフイベントにおいて必要な経費を見積もる

見積もりの前提

・家族

 世帯主:孝、妻:泉、第1子:陸、第2子:海

・年齢は平均余命まで(男女40歳なら、男42年、女48年)

・ライフイベントはとりあえずやりたいこと全て載せる

・高校からは私立で試算

・住宅はマンション購入4300万、頭金740万、35年ローン年間119万円

・車買換えは19年23年200万円

・結婚記念旅行30万円

*画面の都合上一部を省略している。

7 キャッシュフロー表を作る

 必要経費を3大出費だけにとどまらず全て書き出すとともに基本的な生活費の物価上昇も考慮(ここでは1%/年)して、収支を計算する。

・収入は孝が500万円(毎年1%上昇)、泉が100万円

・基本生活費を300万円(毎年1%上昇)

・社会保険等100万円

・貯蓄額1000万円

すると、収支の欄の赤字の部分がマイナスであり問題点を事前に発見することができる。赤字すべてが問題ではないが、赤字が続いたりトータルで赤字になると立派な問題点になる。

8 問題点の解消

 問題点の解消のため、妥協できるところを妥協し、こだわるところはこだわる。

解消項目 解消の効果 備考
住居費 マンションから建売住宅へ 住宅代金及びローン
・頭金740万→313万、月々のローン119万→103万

 頭金427万減

ローン1割減

教育費 私立から公立へ 年間経費
・高校3年間:276万→118万
6割減
その他 車の購入を4年遅らせる  車体価格
:200万×2→200万
5割減
結婚記念旅行はそのまま

9 キャッシュフロー表を修正する

 それぞれ妥協した部分を緑数字で修正する。

 こうして問題点を事前解消することができた。このように、3大出費の項目が重なるような時期(住宅ローンを払いつつ教育にお金がかかる時期)は早め早めに対策を打っていきたい。

10 おわりに

 転ばぬ先の杖ということわざがある。もちろん失敗しないように前もって準備しておくという意味である。ところが世の中には欲求のまま物を買ったり消費したりする人が沢山いる。転びそうになってから後悔してももう遅いのだ。

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