資金計画を立てるときにざっくり把握するための6つの係数
公開:2018年11月2日 修正:2018年12月25日
1 はじめに
「100万円の元本を金利3%、1年複利の金融商品に3年間預ければいくらになるか。」という問いに対して、普通なら1に金利を足して3乗して元本掛けてと電卓が必要になる。でもこの問題、終価係数という表があれば数秒でざっくり把握ができるのだ。
ここでは、資金計画を立てるときなどにざっくりと把握したいという方のために6つの係数について説明する。
2 6つの係数
どんな係数があるのかというと次の6つである。
(1)終価係数
元本を複利運用すると最終的にどんな価格になるか
(2)現価係数
複利運用して目標額にするには、現在の価格でいくら必要か
(3)減債基金係数
目標額にするために必要な、毎年の積立金額(減債基金)はいくら必要か
(4)資本回収係数
元本を複利運用しつつ取り崩す(資本回収する)場合の毎年の受取り額はいくらか
(5)年金終価係数
毎年積立金を複利運用すると、最終的にどんな価格になるか
(6)年金現価係数
目標とする年金を受け取るために現在の価格でいくら必要か
3 終価係数
「100万円の元本を金利3%、1年複利の金融商品に3年間預ければいくらになるか。」
将来の額Sは元金G、金利K、期間Nで表すと
S=G*(1+K)N
終価係数
という式で計算できる。ここにG:100万円、K:3%、N=3を代入して計算すると、109.3万円となる。
ここで次の終価係数を用いる。
3%で3年のところをみると 1.093 の数字がある。これに100万を掛けて109. 3万円と計算するのだ。
3.5%で3年だとすれば、3%3年の 1.093 と4%3年の 1.125 の中間値で 1.109 となるのでこれに100万円を掛けて 110.9万円とするのである。
4 現価係数
「5年後に200万円をつくりたい、金利5%で運用して今いくらの元金が必要か。」
元金G、将来の額S、金利K、期間Nで表すと
G=S*1/(1+K)N
現価係数
という式で計算できる。ここで次の現価係数を用いる。
5%で5年のところをみると 0.784 とある。これに200万を掛けて156. 8万円となる
5 減債基金係数
「毎月同額を積み立てて、金利4%で10年後に1000万円をつくりたい、毎年いくら積み立てれば良いか。」
積立金額T、将来の額S、金利K、期間Nで表すと
T=S*K/{(1+K)N-1}
減債基金係数
という式で計算できる。ここで次の減債基金係数を用いる。
4%で10年のところをみると 0.083 とある。これに1,000万円を掛けて 83万円となる。
6 資本回収係数
「1,000万円の元金を金利5%で運用しつつ10年間の年金として受け取りたい。年金額はいくらになるか。」
年金額E、元金G、金利K、期間Nで表すと
E=G*[K/{(1+K)N-1}+K]
資本回収係数
という式で計算できる。これを次の資本回収係数を用いると
5%で10年のところをみると 0.130 とある。これに1,000万円を掛けて130万円となる。
7 年金終価係数
「毎月3万円づつ積立て、金利3%で運用して、10年後いくらになるか。」
将来の額S、積立額T、金利K、期間Nで表すと
S=T*{(1+K)N-1}/K
年金終価係数
という式で計算できる。これを次の年金終価係数を用いると
3%で10年のところをみると 11.464 とある。これに3万を掛けて 34. 4万円となる。
8 年金現価係数
「10年間、毎月10万円の年金を受け取りたい。金利5%で運用していくらの元金が必要か。」
元金G、年金額E、金利K、期間Nで表すと
G=E*{(1+K)N-1}/{K*(1+K)N}
年金現価係数
という式で計算できる。これを次の年金現価係数を用いると
5%と10年のところをみると 7.722 とある。これに10万を掛けて77. 2万円となる。
9 おわりに
この資金計画を立てるときの6つの係数は、ざっくり上2桁ぐらいまで判れば良いというときには暗算でもすぐ出せる便利な係数である。ぜひ覚えておこう。
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