アルバイトの社会保険適用条件と収入の壁

Pocket

公開:2018年9月17日  修正:2018年12月27日

1 はじめに

 社会保険には、医療保険・年金保険・介護保険・雇用保険及び労災保険の5つがある。また、医療保険・年金保険及び介護保険を狭義の社会保険、雇用保険及び労災保険を労働保険という。

 そしてこの中には、アルバイトやパートなどの非正規雇用者であっても加入が必要な保険がある。

 それは、健康保険・厚生年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険である。

 ここでは、アルバイトに社会保険が適用される条件と収入の上昇に応じてどのような壁が待ち受けるのかについて記す。

2 保険の概要

 社会保険と労働保険の種類と概要は次による。

保険の種類

保険の概要

社会保険

健康保険

病気や怪我、出産等による給付

厚生年金保険

国民年金に上乗せされて給付される年金

介護保険

介護が必要になったときの給付

労働保険

雇用保険

失業したときの給付

60歳以上になったときの給料を一部保障するなど

労災保険

仕事や通勤中に怪我や病気をしたときの給付

3 アルバイトの保険適用条件

(1)社会保険

 社会保険の場合、労働時間や労働日数により、アルバイトやパートであっても常用的に雇用関係があれば加入しなければならない。

保険の種類

保険の適用条件

健康保険

〇一週間の所定労働時間及び一月の所定労働日数が常時雇用者の4分の3以上

〇労働時間及び労働日数が4分の3未満であっても

 ・一週間の所定労働時間が20時間以上あること

 ・賃金月額が88,000円以上であること

 ・勤務時間が1年以上見込まれること

 ・学生でないこと

 ・被保険者数501人以上の企業の従業員

 の全てに該当する場合

厚生年金保険

介護保険

(2)労働保険

 労働保険の場合、常用的に雇用関係があれば加入するものと強制加入のものとに分かれる。

保険の種類

保険の適用条件

雇用保険

〇加入条件

 ・31日以上引き続き雇用されることが見込まれる

 ・一週間の所定労働時間が20時間以上

 の両方に該当する場合

労災保険

強制加入

4 収入の壁

 収入には103万の壁、130万の壁そして新しく150万の壁があり、よく混同されるのでこれも書いておく。

 アルバイトをしている人をA、Aを扶養している人をFとする

壁の種類

概要

103万円

〇年収が103万円を超えるとAにも所得税が課せられる。

(Aが妻である場合は、103万円を超えても141万円までは、夫の所得が1,000万円以下であれば配偶者特別控除は受けられる。)

〇Fの扶養家族になっている場合は、Aが所得税法上の扶養から抜ける。その結果、Fの所得税が増える。

130万円

〇年収が130万円を超えると、Aが健康保険法上の扶養から抜ける。

〇国民健康保険に加入して保険料を支払う必要がある。

 (アルバイト先で、一定の勤務日数や時間等を満たしていれば、会社の社会保険に加入する必要が出てくる。)

150万円

女性の社会進出を促進するため2018年から103万円の壁が150万円の壁に変更された。さらに150万円を超えても201万円までは、夫の所得が一定の範囲内であれば配偶者特別控除が受けられる。

*:基礎控除の38万円と給与所得控除の最低金額の65万円を足した数

5 おわりに

 アルバイトやパートも収入が上がるに連れて、所得税法や健康保険法に抵触していくことを理解することが先ず大切である。また、扶養者にも影響してくることになるので、事前に相談しながら働こう。

GFPは人気ブログランキングに参加中です。

応援していただける方は下の四角いバナーをクリックして下さい。すると、ブログに10ポイントが加算されブログランキングが上がります。そして、また元GFPブログをよろしくお願いします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください