年金を早く欲しい人必見!

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公開:2019年1月5日

1 はじめに

 老齢年金受給の原則は65歳からである。判っているがそこまで待っていられないという人はいないだろうか?そんな人のために繰り上げ受給ができる「繰り上げ支給制度」というものがある。ただ、少し待って欲しい。「繰り下げ支給制度」というのもあるのだ。

 関連する制度を理解して自分にベストなものをチョイスしよう。ここではその辺りについて書いてみる。

2 繰り上げ支給制度

 この制度のメリットは、65歳にならなくても60歳から64歳までの間で繰り上げ支給の老齢年金が請求できるというものである。

 メリットがあればデメリットもある。支給が早ければ早いほど減額割合いが大きくなるのだ。その割合いは1ヶ月につき0.5%である。もし60歳から受給するとなれば60ヶ月早く受給することになるので、

60×0.5%=30%

減額され、本来の額の70%の受給となる。

平成30年度の金額で計算するなら

779,300×0.7=545,510(円)

となる。

 ここで考えて頂きたい。繰り上げ支給を申請する理由が、経済的又は健康的な理由だとしたらこの減額を受入れざるを得ないかも知れない。しかし単に早く受給したいという理由なら「繰り下げ支給制度」も見ていただきたい。

3 繰り下げ支給制度

 この制度のメリットは、65歳になっても受給せず、最大70歳まで繰り下げて老齢年金の受給金額を増やすことができるというものである。

 その割合いは1ヶ月につき0.7%である。もし70歳から受給するとなれば60ヶ月遅く受給することになるので、

60×0.7%=42%

増額され、本来の額の142%の受給となる。

平成30年度の金額で計算するなら

779,300×1.42=1,106,606(円)

となる。デメリットは、受給開始年齢が遅くなるということなので、お金のゆとりと健康であるという条件が付く。

4 損益分岐点

 ここでは単純に、老齢基礎年金を繰り上げ受給した場合と繰り下げ受給した場合、いつ頃逆転が起こるのかを平成30年度の満額の年金額で試算したのが次の表である。

 先ず、黄色に着目していただきたい。60歳繰り上げ受給と65歳からの受給では77歳のときに受取り累計額が逆転する。次に青色、60歳繰り上げ受給と70歳繰り下げ受給では80歳のときに受取り累計額が逆転する。次に赤色、65歳からの受給と70歳繰り下げ受給では82歳のときに受取額が逆転する。

5 おわりに

 厚生労働省が2018年7月20日に公表した簡易生命表によると、日本人の平均寿命は2017年において男性81歳女性87歳となっている。これは、普通の人ならなるべく遅く受給開始した方が受取り累計額は高くなることを意味する。

一番経済的かつ健康的なのは、できるだけ元気に働いて年金を増額で受給し、長生きすることだ。

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