私的医療保険に入る前に健康保険を学ぶ

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公開:2018年10月18日  修正:2018年12月22日

1 はじめに

 健康保険は会社員等が加入する医療保険であり、国民健康保険は自営業者や健康保険・船員保険・共済組合等に加入していない方々が加入する医療保険である。

 公的保険である健康保険と国民健康保険の概要特に療養の給付、傷病手当と高額医療制度について説明してどんな人が私的保険を必要としているのかを考える。

2 健康保険

(1) 療養の給付

 被保険者の傷病に関してその治療を目的として提供される一連の医療サービス。具体的には、診察、手術、入院や薬剤の支給等をいう。会社員で70歳未満の患者なら療養の給付に要した費用の3割を負担する等一部を負担しなければならない。

 また、差額ベッド代、食事代や交通費等は全額自己負担となる。さらに、先進医療にかかった場合は検査、投薬、入院等の基礎的な部分に対しては3割負担であるが、先進医療そのものの特別料金部分は全額自己負担となる。

(2) 傷病手当金

 傷病のための療養による所得保障として支給される制度である。

①必要な要件(全ての要件に該当すること。)

・療養のため

・労務不能

・継続する3日間の待機期間を満たしている

②支給額

ほぼ標準報酬月額の2/3が最大1年6ヶ月

(3) 高額療養費

 家計における負担軽減のため、限度額を設けてその超過額を高額療養費として支給する制度である。70歳未満の場合の高額療養費制度は概略次のとおり。

  ①必要な要件(全ての要件に該当すること。)

  ・同一人

  ・同一月

  ・同一病院・診療所・薬局

②世帯合算

 同一の月において、一部負担金の額が21,000円以上であるものが複数ある場合は世帯で合算できる。

  ③自己負担限度額

 所得により5つに区分されているが、70歳未満で標準報酬月額28万円以上53万円未満の方が同一月・同一病院で医療費が100万円かかったとする場合(医療費に、差額ベッド代、食事代や交通費などは対象外)の算定は次による。

80,100円+(100万円-267,000円)×1% = 87,430円

世帯合算額が87,430円を超える額が高額療養費として支給される。

3 国民健康保険

(1) 療養の給付

基本的な内容は健康保険と同じである。

(2) 傷病手当金

国民健康保険に傷病手当金の制度は無い。

(3) 高額療養費

健康保険と同様である。

4 私的保険を必要とする方

 傷病者になるということは、その傷病を治すお金と傷病を治している間の収入の心配をしなければならない。そこで次のような方は私的保険の必要性が増す。

(1)国民保険加入者

 国民健康保険に傷病手当金のような制度が無いので預貯金で補填するか私的保険を検討すべきである。

(2)預貯金等が期待できない方

 健康なときからカツカツでやってきて何かあったときに特に頼れる様な人が期待できないような場合は私的保険を検討すべきである。

5 おわりに

 私的保険は、公的保険の補完であるから先ず公的保険である健康保険はどうなのか。療養の給付、傷病手当金、高額療養費のところを抜粋して説明した。

 公的保険に穴があいているところについては私的に埋める必要がある。また、穴は埋まっているがそこをさらに強化したいときは過剰な保険にならないよう注意すべきであろう。

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