景気動向指数DI・CIと景気指数の先行・一致・遅行指数とは?

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公開:2018年11月19日  修正:2018年12月25日

1 はじめに

 景気動向指数は内閣府が毎月発表している景気状況を判断する指標であるが、アルファベットや数字だらけで何のことやらという人がいると思う。

 ここでは、景気動向指数と景気指数の概要について記す。

2 景気動向指数

 現在の景気動向を確認し将来の景気を予測するための一般的な指数として用いられる。平成20年3月まではDIを中心とした公表だったのが、今ではCIを公表して、参考値としてDIを公表している。

(1)DI(diffusion indexes)

 景気拡張の動きが各経済部門へ波及する度合いを測る指数(景気が拡大しているのか後退しているのかが判る指標)で数値の判断は次による。

  • 上昇局面:一致指数が50%を上回る
  • 後退局面:一致指数が50%を下回る

(2)CI(composite indexes)

 景気変動の大きさやテンポを測る指標(景気変動の勢いが判る)で数値の判断は次による。

  • 上昇局面:一致指数の数値が上昇
  • 後退局面:一致指数の数値が低下

3 景気指標

 景気の指数には景気の変動に先行して反映される先行指数、現況の景気動向が反映される一致指数、景気動向に遅れて反映される遅行指数に区分することができる。

 具体例としてどのような指数が先行・一致・遅行指数として用いられているのかがわかりやすいものを抜粋した。

先行指数

一致指数

遅行指数

在庫生産

在庫率指数*

生産指数

出荷指数

最終在庫指数

雇用労働

新規求人

有効求人倍率

完全失業

企業経営

売上見通し

営業利益

法人税収入

*在庫の状態により生産を行うので在庫率指数は先行指数である。

 先行指数は全部で11指標、一致指数は9指標、遅行指数は9指標ある。

4 実際の数値を見る

 この記事の執筆は現在平成30年11月である。公表には2ヶ月かかるため、最新の速報値は平成30年9月だ。内閣府が発表している景気動向指数の中のCI一致指数を抜粋すると次のようになっている。

4月

5月

6月

7月

8月

9月

CI一致指数

+1.4

-0.4

-0.2

-0.6

+0.6

-2.1

 表から9月は2.1ポイントと大きく低下している。その理由は「台風や北海道地震の影響」が考えられ、基調は「足踏みを示している」と言える。

5 おわりに

 内閣府の景気動向指数を実際見ると、2ヶ月前の基調とともに過去約4年間のグラフを確認することができる。グラフからみた基調判断は底が2016年の夏で天井が2018年の春に見えるので、今後しばらくは「足踏みから後退になりそうだ」と予測ができる。

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