金利と株価の関係、教科書と実戦との違い

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公開:2018年11月9日  修正:2018年12月25日

1 はじめに

金利が高くなれば一般的に株価は下がり、金利が安くなれば株価は上がる。と、教科書には書いてあるが、実戦(実際の株式市場)となれば教科書どおりには行かない。

ここでは、教科書から少し実戦の方に踏み込んで説明する。

2 金利が高くなるということ

金利が高くなるということは、国債や社債(以下、債券という。)の利回りも高くなるので投資家はリスクの高い株式から、より安全に利回りが期待できる債券に資金をシフトする。

例えば、日経平均株価の配当利回りはここ10年間1.5~2.5%で推移している。債券の利回り2.5%のものがあったとしたら、リスクを取って株を継続しようとする者は確実に減っていくだろう。

また、金利が高くなると借入金の多い企業は金利負担が増えて利益が減少したり、個人でも住宅ローンの金利が高くなると買い控えが発生し景気の足を引っ張ることになる。金利が高くなるとこのようにして株価は下落していく。

3 金利が低くなるということ

金利が低くなるということは、2項の逆のことが起こる。即ち、債券の利回りが低下してくるので投資家はもっと良い利回りが期待できる株式などに資金がシフトしていく。

また、金利が低くなると企業の設備投資や個人の住宅購入意欲を刺激して景気に好影響を与えることになる。金利が低くなるとこのようにして株価は上昇していく。

4 実戦はタイミング

2・3項で説明したことは一般論としては間違っていないが、実戦で今日から金利が高くなるので株価も下がるかといえばそうとも言えない。

金利が上昇しているときというのは景気も良いということになるので、そのときは株価も上昇を続けていく。しかしながらさらに金利が上昇していって、上に書いたようなマイナス要因が大きくなってくると景気が冷やされ株価もついに下降をはじめる。

さらに何時もこのような遅効性があるかといえば、そうとも限らない。金利を上昇させたことが、景気や企業業績に悪影響を与えると考えられたならすぐにでも株価下落を招くこともある。

5 おわりに

金利と株価の関係は教科書どおりということにはならず、そのときの景気への影響度によって金利の変動にすぐ影響されない場合とすぐ影響する場合があるので投資のタイミングがずれるということになる。

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