不動産登記簿はなぜ誰でも取ることができるのか?

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公開:2018年11月23日  修正:2018年12月25日

1 はじめに

 不動産の登記簿は誰でも取ることができると聞いて、この個人情報保護の時代になんでと思う人がいるだろう。でも取れるということは何か理由があるに違いない。

 ここでは、不動産登記の効力や登記簿の記載項目と何故誰でも取れるのかについて記す。

2 不動産登記の効力

 不動産登記の効力は、自分の持っている不動産に関する権利を登記することで、第3者に対して権利を主張できるということである。

 不動産に正当な権利を持つ者でも、登記をしていなかった場合、第3者に権利を主張することができない。

3 不動産登記

(1)表示に関する登記

 表示登記は「不動産の物理的情報」が掲載されている。その不動産が、どこに所在していて、用途が何で、面積がどうでといった基本情報が分る。

(2)権利に関する登記

 権利登記は「不動産の権利に関する情報」が掲載されている。その不動産の現在の所有者が誰で、何時不動産を取得したか、抵当権はついているかなどの情報が分る。

 さらに、甲区と乙区という2つの情報に分かれている。甲区には、「所有権に関する情報」が掲載されていて、所有権、所有権の仮登記、差し押さえ等が記載されている。また、乙区には「所有権以外に関する情報」が掲載されていて、担保権や利用権などが記載されている。

(3)不動産登記簿

 不動産登記簿の土地に関するものの一例は次のようなものである。

4 不動産登記簿の閲覧・請求

 登記事項証明書等の請求は、法務局の出張所などの登記所で申請書に必要事項を記入し手数料として登録印紙を貼付ければ誰でもできる。登記所が遠ければ郵送やオンラインで取得することも可能である。

 誰でも取得できるのは、知らない抵当権や差押えがついていたり所有権が移転していたりということがないよう、所望の登記手続きを円滑にするために行うものである。

 例えば、抵当権が設定されたままで家を買ったら、知らない間に競売にかけられてしまうこともあるということである。だから、普通の不動産売買においては、売主が抵当権を抹消し担保をきれいにした状態で不動産を引き渡すことが前提になっている。

5 おわりに

 住民票などは個人情報保護が優先されるので本人以外は簡単に取ることができないが、不動産登記簿は所有者の住所、氏名、借入れの際の担保権などが登記されているにもかかわらず円滑な不動産取引が優先されて誰でも取ることができる。何を優先するかでこのようなことになっている。

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